北欧式虫歯予防法

北欧式虫歯予防法

北欧式虫歯予防法

北欧式虫歯予防法

【北欧と日本の歯科事情】

最近では、北欧というと家具や雑貨類が有名でブームになっていますが、我々、歯科医が北欧に持っているイメージは虫歯予防先進国ということです。
フィンランド、スウェーデン、ノルウェーといった北欧の国々の子供達には、ほとんど虫歯は無く、80歳になっても自分の歯が平均20本以上あります。一方、日本では、虫歯の数は、昭和の時代「虫歯の洪水」と言われていた頃からすると随分減りましたが、北欧の子ども達に比べるとまだまだ多いのが現状です。

また日本歯科医師会が推進している8020運動(80才で20本以上の歯を残そうという運動)もいまだ達成しておらず80才で13.8本と北欧の人たちに比べてまだまだ低い現実があります。この差は一体どこから生まれるのでしょうか。
日本では「歯が痛くなった」「詰め物が取れた」「歯がグラグラする、歯が抜けた」等の不都合が生じた時にだけ歯医者さんに嫌々行くという人が多いのが現状です。

日本での予防歯科受診率が5%程度なのに対し、北欧では80~90%です。日本人の歯科における予防意識は、先進諸外国と比較すると、まだまだ低いのです。
北欧の人達は、痛くなって治療に行くのではなく予防の為に歯医者に行くのが一般的です。国の政策として歯の予防を掲げているスウェーデンではむし歯や歯周病の有無に関わらず習慣として定期的に歯医者さんに通って診断やアドバイスを受け、歯と歯肉の検査や歯科衛生士によるプロフェショナルケアーを受けています。
また、スウェーデンは医療保険制度が大変充実しており、歯科治療は、なんと19歳までは無料、20歳以降歯科治療が必要になった場合には高額な治療費がかかりますが、それでもかなり保険で支給されるようです。このような充実した保険制度と、歯を大事にする国民性が虫歯予防先進国としての現在の地位を確立できた所以であると思います。
事実、スウェーデンでは学校検診などで虫歯が見つかると授業はさておき歯科医院へ直行させられたり、学校に歯科医院が併設されているところもあるそうです。
しかし、今でこそ北欧の国々は虫歯のない健康的なイメージですがこんなデータがあります。1970年代後半のフィンランドの12才の子供達の平均虫歯罹患率は7本となんと虫歯の洪水と言われていた日本を上回る虫歯大国だったのです。
このデータに私は、一筋の光明を見ました。もともと北欧の人達が歯の質が良くて虫歯になりにくい遺伝子を持っていたからではなく、様々な努力の結果、後天的にあとから勝ち取ったものであることがわかったからです。じゃあ日本人にもできるじゃんとなるわけです。

1.キシリトールって何?

キシリトールは白樺などに多く含まれる甘味炭水化物です。
すべての糖アルコールの中で砂糖と同じ程度の甘味度があるにもかかわらず、カロリーは砂糖の75%という特徴を持っています。
医療の現場では、糖分摂取をコントロールする必要がある糖尿病の患者さんの点滴等にも使われています。
歯科の現場ではキシリトールはむし歯予防に非常に効果的といわれますが、その理由は次の通りです。
むし歯とは、ミュータンス菌に代表される虫歯菌が砂糖を分解して酸を産生し、歯を溶かす現象ですがキシリトールでは酸が作られません。よってキシリトールをいくら摂取しても虫歯にはならないのです。そればかりかキシリトールはミュータンス菌の体内に取り込まれると、菌自体の力が弱って次第に菌の数が減っていくことになります。
キシリトールを長期間継続して摂ると、むし歯菌は数が減って元気がなくなり、同時に虫歯菌がエナメル質からはがれやすくなることも知られています。
この効果はキシリトール特有の作用です。
また、キシリトール配合のガムでは噛むことによって唾液分泌が高まり唾液による自浄性の向上や再石灰化作用などで虫歯予防に対する2次的効果も期待できます。
さらに唾液は自己防御機構としての免疫において重要な役割をはたしていることが、近年注目されています。むし歯に限らず、健康を保つために役立つ唾液を十分に出すためにも、キシリトールを活用することができるのです。

2.キシリトール商品を購入する際の注意点

キシリトール配合!とパッケージに記載されていても50%以下だとあまり意味がありません。パッケージの裏面をよく見て50%以上でより濃度の高いものを選びましょう。また、いくらキシリトールが50%以上含まれていてもキシリトール以外の糖類が含まれてしまっていては意味がありません。虫歯予防効果を十分に発揮させるには、シュガーレスの商品を選びましょう。
できれば歯科医院で販売されているキシリトール100%のものをお薦めします。

むし歯予防に効果的なキシリトールの摂り方

むし歯予防効果を期待したキシリトールの基本的な摂り方は、1日5~10gを3回以上に分けて摂取すると良いとされています。歯科医院で販売されているキシリトール100%のガム1粒中には、キシリトールが1.3g含有されているので1日、4粒を朝、昼、晩、寝る前に摂取すると良いでしょう。美味しく手軽で簡単な虫歯予防がキシリトールなのです。
夜寝る前のガムの摂取は、「歯を磨いてその後は何も食べないこと!」と指導されてきた私たちにとっては抵抗がありますが、むし歯予防の先進国といわれるスウェーデンやフィンランドではキシリトールを積極的に利用して虫歯が大幅に減っているのです。

赤ちゃんができたお母さんにキシリトールは特にお薦めします。

キシリトールは薬品ではなく安全性の高い食品添加物ですので、妊婦の方も問題なく摂取していただけます。 何故妊婦さんにお薦めするかというとむし歯菌(ミュータンス菌)は母親から子供への口移しや同じスプーンなどを共有することでうつる母子感染なのでこれから生まれてくるお子さまにむし歯を作らないために、妊婦の方は日頃から自分のお口のミュータンス菌を減らして感染を防ぐためにキシリトールをぜひご活用ください。妊娠期から母親がキシリトールを継続して摂取すると子供の口への虫歯菌の感染が半年以上遅らせることができるという研究結果も出ています。感染が遅れれば遅れるほど後の虫歯予防に有利になります。

3.プロバイオティクス(ロイテリ菌)

プロバイオティクス(Probiotics)、とは人体に良い影響を与える微生物(善玉菌)。または 、それらを含む製品、食品と定義されています。現在は腸内フローラの改善に乳酸菌や納豆などの発酵食品をとる人が増えていますが、歯科の世界でも最先端の予防方法としてスウェーデンのノーベル生理学賞の審査をする医療機関で開発されたロイテリ菌タブレットで虫歯菌や歯周病菌を減らし口の中の菌質を整えるいう方法があります。ロイテリ菌は口臭の原因物質である硫化ガスを作る歯周病菌を減らす効果があるので口臭予防にも役立ちます。
ロイテリ菌は母乳由来のタブレットで薬ではありませんので、副作用がありません。イチゴ味と、ミント味があります。歯ブラシあと、舌の上に15分くらい置いてゆっくり舐めるとロイテリ菌が口の中に定着しやすく効果が増大します。
口臭に限らず、下記の効果が期待されます。
[歯周病/虫歯/インプラント歯周炎/アトピー/ピロリ菌/便秘/母乳改善]

★スタッフ手作りのロイテリ菌の説明資料はこちら >>
L.ロイテリ菌

当院では、「ロイテリ菌※用語集ページへ」をお勧めしています。
http://kousyuu-drymouse.com/reuteri/