インタビュー
インタビュー
『磨けている』と『磨いてる』は違うのです 枝毛ができたら美容院に行って髪の手入れをするように、歯医者さんにも歯のお手入れにいらしてください 歯科衛生士 鈴木麻里子

歯科衛生士とは?

歯科疾患の予防及び口腔衛生の向上を図ることを目的として、人々の歯・口腔の健康づくりをサポートする国家資格の
専門職です。具体的な仕事内容は、以下の通りです。

1.歯科予防処置 2.歯科診療の補助 3.歯科保健指導

訪問歯科って、そもそもどんなものなんですか?

自らの足で歯医者さんに赴けない方や、介護保険を受けている方なら、どなたでご利用できます。
歯科医院と同じ治療やケアを、ご自宅で受けられます。

訪問歯科って、どれくらいの費用が掛るのですか?

費用に関しては、厚生労働省の定めた保険の範囲内でのご負担ですみます。
無料歯科検診もありますので、ぜひ一度、お気軽に試してみて下さい。

訪問歯科って、自宅にしか呼べないんですか??

いえいえ、自宅にも、施設にも行けます。

施設と言えば、今日は衛生士単独で、施設に行ったんですよ。
毎週金曜日に行っています。
歯科医師ではないので、治療はできないのですが、口腔ケアをします。
磨いてあげたり、入れ歯の手入れとか、施設の方に口腔状態とそのケアの方法をお伝えします。

ご自宅へ伺う訪問歯科ですが、ご自宅に車で伺います。
その際、ご近所の方に呼び止められて「歯医者さんなの?」「歯医者さんってうちに来てくれるの?」という
質問をされたりします。
「どなたか、見る必要のある方がうちにいるんですか?」と聞くと
「将来的に私もお世話になるかもしれないので、その時は来てほしい」と。(笑)

訪問歯科の存在自体を知らないんですね。

そうなんです。
訪問歯科の存在をご存じないのです。
「値段が高いんじゃないの?」と心配されるのですが
「厚生労働省の定めた保険の範囲内でのご負担で済むんですよ~。」
と聞くと、皆さん驚かれます。

歯医者さんに来るのと一緒で、保険の範囲内で収まるということですね。

そうです。厚労省の決めた範囲の負担で済みます。

とにかく一度、問い合わせしていただき「無料検診」を受けてみてください。

先生と一緒に伺います。
特に今、痛みがなくても、不具合がなくても、問題ありません。

痛みがなくても大丈夫なんですか??

もちろんそうです。
定期的な口腔ケアも訪問歯科で出来るのです。

歯医者さんにクリーニングに来るのと同じ感覚で?

そうです!
ご家族の方が急にお口の中を見ても、この状態がいいのか悪いのかわからないですよね。
客観的に私達が見れば分かりますし、定期的な口腔ケアも出来ます。

それは知りませんでした。そんな事で呼んじゃ悪いんじゃないかと思うのですが。

そんなことありません。

訪問歯科について、お願いしようかどうか悩んでいる方へのメッセージはありますか?

ご年配の方の中には、ご家族の方にお口の中の状態を見てもらうのは嫌でも、白衣を着た人、
歯科医師や歯科衛生士ならば、素直にお口の中を見せてくれるという方もいらっしゃいます。

そんなときはご遠慮なさらずに、ぜひ私たちにお声がけ下さい。
お痛みがなくてもOKです。
口腔内の状態がいいことは、全身の健康状態が改善されることにもつながります。

では、今度は予防歯科について教えてください。

そうですねえ・・・。
女性だったら、たとえば、エステや美容院に行くじゃないですか?
そういう感覚で来てもらえればと思うんですよ。

予防っていうと、虫歯や歯周病の予防ってあると思うんですけど
みなさん美容院行くのに、枝毛イッパイで毛先ボロボロになってから
行かないですよね。
髪の毛切ったり、カラーリングしてもらうのに定期的に行きますよね。
それと一緒だと思います。
それと同じ感覚で来て欲しいです。

そういう感覚って無いですね。

ブランドのバックに気をかけるのもいいんですけど、
ニコって笑った時に見えるその歯も気にかけてねって思うんですね。

自分の歯は、自分では100%自分で磨ききれないという話を聞くんですが、なんで無理なんですか?

見えない部分を自分で磨くって、難しいと思うんですね。
私達衛生士が、対面でお口の中を見ながら磨くのと、ご自身で見えないところがある中で磨くのとでは違います
歯と歯の間とか、歯と歯茎の境目とか、どうしてもご自身では磨ききれません。
私達、衛生士でもそうなんですが、お茶を飲めばステイン(歯の表面の着色汚れ)は溜まっていきます。

台所の三角コーナーを放っておくと、ヌメヌメしてきますよね。
お口の中でも2~3日放っておくと、同じ状態が起こるわけですよ。
それを「バイオフィルム」と言います。

それを破壊するのには、歯科医院の機械で磨くことが有効なんです。

機械はどういうものを使うんですか?

超音波スケーラーやエアースケーラーという機械で、
振動を起こして歯石を砕いていきます。

これは、おうちでは無理ですよね。

歯石は、歯ブラシでは取れません。
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)というのがありまして、これは日本語にすると
専門的機械歯面清掃(せんもんてききかいしめんせいそう)です。
要は、歯磨きのプロフェッショナルが、機械を使って歯と歯ぐきのお掃除をしますよ!ということです。
自分じゃ出来きないところを、プロが機械で磨きますということです。
機械でやると全然違うんですよね。
ザラザラしている表面が、ツルッツルになります。
その気持ちよさは、一回やってみればわかります。

『磨いている』と『磨けている』は違うんですよ

『磨いている』と『磨けている』?

よく皆さん「磨いているのに」っておっしゃるんですけど、こちらから見ると「磨けてない」のです。
たった一文字の違いですが、全然違ます。

クリーニングの費用は?

保険で、できます。
2000~3000円くらいで出来ます。

最後に患者さんたちに向けたメッセージはありますか?

私たち衛生士が普通だと思っていることも、患者さんには普通でなかったります。
エピソードの1つに、「歯医者さんに行って、先生や衛生士さんとお話をしている時間が申しわけない」と
おっしゃってた方がいるのですが、全然お気になさらないでください。
むしろお話を聞きたいです。
担当者制なので、是非お話をしがてら定期的にいらしてください。

皆さんのお話がじっくりと聞けるように、とても素敵なカウンセリングルームを二部屋ご用意しました。
院長自らセレクトした、素敵な内装の仕掛けがありますので、ぜひそれをご覧になりがてら、いらしてください。

歯医者さんにクリーニングに行くのを美容院に行くような感覚で、
生活の中に3ヶ月に1回生活習慣に組み入れてみてください。