高齢者の咀嚼機能の低下が高血圧を招く

島根大学が発表した調査研究データによると高齢者の咀嚼機能の低下や咀嚼機能が低下したにもかかわらず入れ歯を使わないでいると高血圧の危険性を高めることを発表しました。

虫歯や歯周病が原因で歯を失うと食べられる物に制限がでてきます。その結果、肉類や野菜類が不足しタンパク質、ビタミンの摂取が少なくなります。反対にあまり噛まなくても食べられるうどんやご飯などの炭水化物系の摂取が多くなることで栄養バランスが悪くなり高血圧の原因を作ってしまいます。

具体的に同大学が行った分析方法は高齢者に15秒間グミを咀嚼させた後、噛み砕いた分割数によって咀嚼機能を評価しその結果、分割数の少ない高齢者の郡に高血圧を有する割合が高いことを突き止めました。

また28本歯がある高齢者に比べて、歯を多く喪失している高齢者や義歯を使用していない場合、高血圧を有する危険性が高いことも確認されたようです。

これらのことにより、日頃から虫歯や歯周病予防をしっかり行い歯の喪失を防ぐことがなにより重要で残念ながらすでに多くの歯を喪失してしまった方は義歯による適切な治療が行われることが重要となってきます。

執筆者:上村 英之(Hideyuki Kamimura)
医療法人社団マハロ会 理事長 / 日本抗加齢医学会 専門医

歯科医師として「予防歯科を通じた全身の健康と幸福」を追求し、東京・千葉・埼玉に5つの大規模歯科医院を展開。
日本抗加齢医学会専門医をはじめ、日本アンチエイジング歯科学会認定医、日本禁煙学会認定指導医、日本口臭学会認定医など、予防・未病改善に関する数多くの専門資格を保持する。 一口腔単位の治療にとどまらず、ドライマウスや口臭外来、生活習慣改善までを網羅する包括的歯科医療を実践。
著書に『歯を健康にしてアンチエイジングを手に入れる方法』、『歯科革命3.0』があり、歯科医療と長寿社会の融合を提唱。現在は一般社団法人日中友好予防歯科協会 理事長として、アジア圏における予防医学の普及と歯科医療のDX化を牽引している。